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​France

​ボンジュールな休日

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PARIS
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パリの蚤の市
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PARIS 354
なぜかおしゃれなパリジェンヌ

Story 1

なぜかおしゃれなパリジェンヌ

日本人は、パリがすきだと思う。

近所の雑貨屋さんでは、エッフェル塔モチーフのものがたくさん売ってるし、

パン屋さんやケーキやさんも、なぜか「パリの」という冠がついてると

おいしそうな予感がする。

トリコロールの色にもなぜだかキュン。

通貨がフランだったとき、お札に描かれていた星の王子様も最高にすてきだった。

日本人は、パリが好きというか、あこがれみたいなものを持っているのかも。

ここ数年、一緒に住んでる幼なじみも「パリジェンヌの部屋をめざす!」

って、せっせと土壁にかわいいポスターや切り絵を貼ったりしてる。

 

日本にいても、フランスの風は感じようと思えばいろいろ落ちていて、

たとえば映画。

そういえば映画が発明されたのはフランスなんだって。

カンヌ国際映画祭はあまりに有名。

「アメリ」「ムーランルージュ」「マリー・アントワネット」

「ダヴィンチコード」「パリ、恋人たちの2日間」

おもしろい映画はいろいろあって、中でも私は

オペラ座のバレリーナの舞台裏を映したドキュメンタリー映画、

「エトワール」が好き。美しさの裏にある過酷な道のりに

胸を打たれて、さぁ私もがんばんなきゃって思えた映画。

 

それにしてもフランス映画に出てくるパリジェンヌ。

彼女たちはいつもさっぱりおしゃれな服を着て、

無造作な髪型をしててもやっぱりかわいい。

カラフルな壁のアパルトマンに住んでいて、

間接照明で暮らしているイメージ。

 

今までに私はフランスには何度か訪れて、パリを拠点に旅をしたけど、

他の国でもフランス人の旅行者と仲良くなったけど。

やっぱりパリジェンヌはどこに行ってもパリジェンヌ。

すこしくぐもった音色のフランス語を話して、

カフェで足を組んでコーヒー飲んで、たばこ吸ってる姿さえ絵になる。

 

なんでパリジェンヌはおしゃれに見えるのかなぁと考えてみたけど、

やっぱり「パリ」という街が作り出す空気のなかで暮らしてる、

っていう要素は大きいんじゃないかって思う。

見上げると歴史を纏った石造りの建物、電線ひとつない空。

エッフェル塔が凛と見下ろすパリの街、セーヌ川のおだやかな流れにも心やすらぐ。

大きな公園にはセンスのある色使いの花が咲き乱れて、

そしてパリと言えばのカフェも、約1000軒以上もあるんだって。

 

こんなふうに日々奏でられる街のリズム。

その音に乗せて、暮らす人たち。

パリジェンヌのかろやかなおしゃれさは、きっとそこからきているような

気がしてる。

ボンジュールな休日

Story 2

ボンジュールな休日

スパイス入りのお伽噺

パリでは週末になると、町のはずれでいくつかの蚤の市が開かれる。

パリの玄関口、シャルルドゴール空港に到着したのがちょうど日曜日だったから、

すぐその足で、私もメトロに乗ってパリの町外れにある<ヴァンヴの蚤の市>に。

何かの雑誌で、「ホーローなど、小物雑貨がたくさん売ってる」

って紹介されてた小さな青空蚤の市。

日記帳に記しておいた、「メトロ13号線のPorte de Vanves駅で下車。

Brune通りの一本南のMarc Sangnierに入る。」

のメモを頼りに辿り着いた。

 

アンティークのカフェオレボウルにキーホルダー、

ボタン、レコード、おかしの袋、こまごまいろいろ!

誰かにとってはもういらないもの、

誰かにとってはずっと探していたもの。

ほとんどすべてが歴史を持ってそうなものばかりで、

ひとつひとつのお店を地元の人に混ざってゆっくり眺めて歩いた。

私はなぜかボウルが好きで、旅に出るたび買い集めて、

服にくるんででもリュックに入れて持ち帰るんだけど。

ここでもカフェオレボウルを と思ったけれど、アンティークものは

とってもとっても高かったから買えなかった。

 

でも、運命的な出会い。

旅の初日にしての、禁断の出会い。

いい感じに古ぼけたルクルーゼの片手鍋!10ユーロ!!(約1200円)

お店を開いてたおじちゃん、おばちゃんに「え、ほんとに10ユーロ?」

って確認して。

 

・・・初日にこの重い鍋買うとかないよなぁ

でもこの鍋で煮物つくったらおいしいやろうな

10ユーロって安すぎるよなー

まだ荷物入るスペース、あるよね・・・

数分の心での葛藤のち、ご購入!

フランスの家庭で使い込まれてきたであろう、

オレンジ色の片手鍋。

大満足して午後を過ぎたあたりで蚤の市をあとにした。

近くのカフェで飲んだカフェオレがいつも以上にとってもおいしくって

ひとりでちょっとにやけてた。

当然荷物はすごーく重くなったけど、買って良かった。

今は京都の私の家で、ご活躍。

 

それからパリの中心地にほど近い、リュクサンブール公園へ。

ここはフランスの国会上院が入っている、リュクサンブール宮殿の庭園で、

パリで一番大きな公園、その大きさは東京ドームの約5倍だって。

パリに住む人たちの憩いの場、休日にはたくさんの家族がピクニック。

メリーゴーランドに乗ったり、子どもたちはポニーやロバに乗ることができる。

池もあって、そこでヨットの模型で遊んだりも。

ほんと、子どもたちがはしゃぐ姿はどこの国でも愛らしい。

 

公園にはギリシャやローマの神々の像や、

偉人、文化人の彫像も数多く点在してる。

ベンチもたくさんあるから、大人たちは思い思いに太陽を浴びて、

本を読んだり、おしゃべりしたり、チェスをしてたり。

私も木漏れ日のした、買って来たサンドウィッチとエクレアをベンチで食べた。

春、夏、秋の季節にあわせて植え替えられるというお花も

なんとなしにパリの色。

 

この場所を飽きる日はやってこない、って言い切れるような場所。

しあわせな光にあふれた公園での休日。

すごく穏やかで平和なところ。

こんな公園が、パリの町のまんなかにあることが、

パリのおしゃれ文化に一役買ってるんじゃないかって、

ふと思った。

Story 3

スパイス入りのおとぎ話

エコール・ド・パリ。

20世紀前半にパリのモンマルトルやモンパルナスに集まって、

ボヘミアンな生活をしていた「パリ派」の画家たち。(Wikipediaより)

マルク・シャガール、アメデオ・モディリアーニ、藤田嗣治。

そして他にも、パウロ・ピカソ、クロード・モネ、オーギュスト・ルノアールもフランス生まれ。

大好きな写真家、アンリ・カルティエ=ブレッソンもフランス人。

街に点在する美術館、その数140以上。

これだけ今も愛される芸術を残した人々が、

フランスには多くいる。

どことなく漂うアーティスティックな雰囲気。

パリは昔から、そして現代も、芸術家を惹き付ける何かがあるんだろな。

私はアートにそれほど詳しいわけではないけれど、そんな私でもパリは

美術館巡りが楽しい街。

ルーブル美術館、オルセー美術館、行列に並んで入って一日かけて見て回った。

次、またパリに行ったらピカソ美術館に行きたいなって思ってる。

 

街を流れるセーヌ川を船でクルージング、エッフェル塔を川から眺めてみたら

歩くだけじゃ見えなかったパリの横顔が見えてくる。

船着き場の近くには、小さな移動遊園地もきていて、

雨にぬれたメリーゴーランドがファンタジーの世界に誘ってくれてるように見えた。

クルーズは、案外安くって船だけだったら1時間10ユーロくらい。

あいにくの雨で、船のなかも寒くてガタガタ震えたけれど、

キラキラにぎやかな光がエッフェル塔をかけめぐる、

定時刻のイルミネーションを見れてハッピーだった。

 

そして豪華絢爛とういう言葉がぴったりな、ヴェルサイユ宮殿!世界遺産。

パリから南西20キロメートルほどのヴェルサイユ市に位置する、

広大な敷地の森に囲まれたルイ14世が建てた宮殿。

1789年のフランス革命まで、フランスの政治、文化、芸術の中心だった

 

ソフィア・コッポラ監督で、映画化もされたマリーアントワネットが住んでた場所。

映画館で見たけれど、マカロンの甘い香りがスクリーン越しに届くんじゃないかって

感じるくらい、カラフルでガーリーな映画。

実際のヴェルサイユ宮殿内で撮影されたって。

余談だけどマリーアントワネットの言葉とされている有名な言葉、

うちのお母さんによると「食べるものがないなら、あんパン食べれば」

って言ってたお姫様でしょって。

あんこは、きっとこの時代のフランスになかったんじゃないー?

正しくは、「パンがなければお菓子を食べればいいでしょ」。

 

宮殿のなかは、横を見ても上を向いても

どこもかしこも装飾で埋め尽くされてる。

シャンデリア、大理石、壁画。この豪華さは手に負えないー、めまいがした。

 

でもびっくりしたことに、宮殿には王族が使う以外のトイレがなかったって。

舞踏会に参加する人たちは、携帯トイレを持って来ていて、

用を足したら中身は庭に捨てていたという。

召使いの女性たちもやっぱり、庭で用を足してたという。

ふんわりしたドレスは、その現場を隠すためだったとか

なんとか。

うそみたいな話。

こんな豪華絢爛に、徹底的に贅を尽くしたように見えるのに、

当時はくさかったとは。

 

でもここで優雅に暮らしていた人たちは、本当に幸せだったのかなぁ。

宮殿を一歩出ると、とても貧しい人たちがいて。明らかな不均衡があった時代。

世間から隔離された別世界に暮らすって、どんな気持ちなんだろう。

身分の違いを正当な権利として、それで気持ちは満たされてたのかな。

綺麗だけどくさい宮殿で。

 

私ならたとえどんだけ豪華な生活を与えてもらっても、

外のことを知らずに暮らすなんて、3日も耐えられそうにない。

モンサンミッシェル

Story 4

モンサンミッシェル

パリはいいなー。メトロもすっかり乗りこなして、

カフェでカフェオレとクレームブリュレ食べたりして。

完全に気を抜いてた。

自分のかばんから、財布が消えてることにもすぐには

気付かなかった。

あれっ?はれっ?ない!

 

「子どもがさっき取ってったよ!わし、見たよ!」

おじいちゃん、見たなら止めてよ・・・

脱力。

数日分の予算と、唯一のクレジットカードと、

記念にとっておいたシールとかお守りを盗まれてしまった。

すぐにクレジットカード会社に電話して、

訳を話すと電話越しに女の人が、「そうでしたか、お体はご無事でしたか?

大変でしたね」

優しい。ほろりとした。

それから一応警察にも行った。

(フランス語で意味わからなかったけど、このとき警察で書いてもらった

フランス語の走り書きのメモが、後になって保険会社に提出するための

大切な書類となった。現金の補償はなかったけれど、

盗まれたお財布代を払ってもらえた。保険入ってて良かった!)

 

なんだか一気につらくなって、

モンマルトルの丘の上からパリの街を見下ろして、

「あたしのお財布かえしてーーーー!」って思いでいっぱいだった。

この晩は、4人のドミトリーに泊まっていたけれど、

シャワーの水が途中で止まったりもして、厄日だった。

 

でも気を取り直して、次の日は朝5時起き。

パリのモンパルナス駅からTGV(フランスで言う新幹線)に乗って2時間かけてレンヌまで。

そこからバスに乗り換えて、1時間半。モンサンミッシェルに向かう。

「天空の城、ラピュタ」のモデルになったとか違うとか言われている場所。

切符売り場のおばちゃんに冷たくされて、すっかり弱気になってたんだけど。

羊がたくさんいる牧草地を走り抜けて、

かすかに霧の向こう側にモンサンミッシェルの姿を見つけたとき、

夢を見ているようだと思った。

サン・マロ湾にある小さな島に建つ修道院、

古くからのキリスト教の巡礼地。

満潮時には周りが海に囲まれて、その姿はまるで海に浮かぶお城に見えるという場所。

長い歴史の中で、監獄として使われていたこともあったということだけれど、

今は世界中の人に人気の観光地。「モンサンミッシェルとその湾」は、

世界遺産としても登録されている。

 

お土産物屋さんや、レストランが並ぶ小路を抜けて、階段に登った先が修道院。

ちょうどミサが開かれていて、最前列に座って参加。

司祭やシスターが出て来て、けむりが出てるにおい玉みたいなものを

振りかけてくれて、葡萄酒とパンをもらった。

聖堂に響くフルートの音色や歌声が心に染みて、自然と涙が出てきた。

生きてて良かったとまで思った。

「中世の人々が、地上に具現化した天国の象徴」

もらったパンフレットに書かれていた言葉に納得。

そしてミサが終わってテラスに出たら、覆っていた霧がすっかり晴れて、

尖塔に金色の大天使ミカエルの像が光ってた。

そう、モンサンミッシェルは708年に司教が夢でミカエルから、

聖堂を建てよとのお告げを受けたことからはじまる。

お会いできてよかったです、もうお財布盗まれたからって、

フランスのこと悪く思ったりなんかいたしません。

 

テラスから眺める景色、

見渡す限りなめらかな砂浜。

そのうえに残った水がしっとり太陽の光にゆらめいて、

遠くにはぼんやり街の影が見える。

こんな景色を見たのは初めてだった。

近づいて見て、ちょっと離れて見て。

あぁ、ラピュタだ。

 

それからモンサンミッシェル名物の「おいしくないオムレツ」

食べて、おいしくなさを確認して、

モンサンミッシェルを何度も振り返りながら、

また絶対こようって心に決めてパリに戻った。

そしてその決意通り、数年後にもう一度。

モンサンミッシェルには行っている。

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